資産運用の勉強を始めると必ず出てくる、「iDeCo」(イデコ)。
資産運用レベルは、初級編に位置し、比較的簡単です。
今回は、この「iDeCo」について、説明したいと思います。
い、イデコ?
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
5,000円/月から1,000円単位で始めることができる、将来に備えて自分育てる年金のようなものです。税金面でお得になるメリットもありますが、デメリットもあります。それぞれ確認していきましょう。
メリット
①積立金額が所得控除の対象となる
給与明細に所得税という項目がありますよね。これは給与の金額に応じて税金額が増減します。iDeCoを始めた場合、積立金額の分、給与所得が減少したこととなり、所得税が軽減されます。
例えば20万円/月の給与所得の場合、20万円に対して所得税が課されますが、iDeCoで2万円/月の積立をした場合、20万円から2万円を差し引いた、18万円/月に対しての所得税が課されることになります。
年末調整などで払いすぎた税金が還付されますので、メリットが毎年実感できます。
毎月控除となれば、1年間でみると結構な金額になりそうだね
私の場合、1.2万円/月の掛け金で、年末調整で3万円程度もどってきました
②運用収益が非課税となる
iDeCoでは「投資信託」という金融商品を購入し、運用していくことになります。通常、投資信託や株式によって得た収益は、約20%の税金が課されます。しかし、iDeCoの運用によって得られた収益に関しては非課税、税金がかからないのです!!
例えば投資信託の商品を10万円購入し、20万円になったところで売却したとします。この場合、収益(儲け)は20万円-10万円=10万円となります。
ただし、税金は売却益にかかるので10万円に約20%の税金が課されます。すると徴収される税金は10万円×20%=2万円となります。そのため、10万円が手元にもどり、利益は8万円となります。
売却額20万円-元本10万円=収益10万円、収益10万円×0.8(税金20%徴収)=8万円
株式の売却益にかかる税金って、こんなに高いんだね!!
③60歳以降の受け取り時、退職金や年金として控除の対象となる
60歳以降にiDeCoを受け取る際、老齢給付金の一時金もしくは年金として受け取ることができます。一時金の場合は「退職所得控除」、年金の場合は「公的年金等控除」が適用されます。
控除が適用されるということは多少なりとも課税されるということです。先ほど、運用収益が非課税になると説明しましたが、受け取り時には課税されますので、注意が必要です。
デメリット
①60歳まで資産を引き出せない
iDeCoの運用を始めた場合、原則60歳まで資産が引き出せません。そのため、現在の家計がギリギリの方にはおすすめできません。
将来のために備えようとしているのに、生活できなくなる、生活防衛資金の貯金を切り崩してしまっては本末転倒です。家計に余裕のある資金で始める必要があります。
60歳まで引き出せなくても大丈夫な「余裕資金」で行いましょう
②元本割れのリスクがある
資産運用を始めるにあたり、避けて通れないのが元本割れのリスクです。10万円で購入した金融商品が8万円になって、2万円の損失が生じることもあります。収益が生じることもあれば損失が生じることもありますので、ある程度のリスクを許容する必要があります。
日本人のほとんどは貯金や貯蓄のみなので、金額変動に対する感覚や免疫がなく、投資について良い印象を持っている方がいません。「投資なんかギャンブルだ!」という人も多いですが、正しい知識を付けずにやる方が多いので、そういった噂が広がってしまいます。
投資をする以上、リスクがあるんだね
③運用時には運用手数料、取り崩しの際には税金がかかる
iDeCoで購入する「投資信託」という金融商品は、信託報酬という手数料が発生します。投資信託は、投資のプロである「ファンド」が個人投資家から資金を集め、資産運用を行い、利益を生み出す金融商品です。
ファンドが我々の代わりに利益を生み出そうと仕事してくれているので、その報酬として支払うのが信託報酬です。信託報酬は投資信託の商品によって大小があります。長く運用していく場合、なるべく信託報酬の安価なものを選定する必要があります。
運用商品の選び方
iDeCoの運用に関するメリット・デメリットを説明しました。
実際にiDeCoを始める場合、どのような商品を選ぶべきなのでしょうか。一人ひとり資産運用のスライるは異なると思いますが、基本的な情報を確認していきましょう。
基本的には投資信託という金融商品を購入して、運用していくことになります。交付目論見書に重要事項が書いてありますので、確認していきましょう。
投資対象地域 | 日本か海外かが記載されています。交付目論見書を読むと、アメリカ中心に投資しているなどがわかります |
投資対象資産 | 株式かその他資産に分かれます。その他資産の場合、一般株式(上場株式以外)を指します |
補足分類 | アクティブ型かインデックス型に分かれます。インデックスファンドの方が長期でみると成績優秀です |
対象インデックス | どの対象株価指数(S&P500やNASDAQ、TOPIXなど)に連動した成績を目指しているか判別します |
購入時手数料 | 投資信託を購入する際にかかる手数料のことです。取引のたびに費用が発生します |
信託財産留保額 | 投資信託を売却する際にかかる手数料のことです。取引のたびに費用が発生します |
信託報酬率 | 投資信託の運用・管理する際にかかる手数料のことです。1年ごとに費用が発生します |
実際の金融商品を見た方がわかりやすいと思うので、私が3万円/月を積立投資している投資信託の商品を例に見ていきましょう。
商品名は、「SBI・V・S&P500インデックスファンド」という名前です。目論見書のリンクも貼っておきます。
投資対象地域 | 海外(北米) |
投資対象資産 | 株式(ETF含む) |
補足分類 | インデックス型(米国株式市場の値動きに連動する投資成果を目指す) |
対象インデックス | S&P500指数に連動するETF(上場投資信託)に投資して運用 |
購入時手数料 | なし |
信託財産留保額 | なし |
信託報酬率 | 0.0938% |
交付目論見書を読むと、アメリカの株式(主にETF)に投資して運用し、成果を出す商品であるとわかります。SBI・V・S&P500はSBI証券の限定商品であり、購入時手数料と信託財産留保額は無料です。さらに信託報酬率は0.0938%程度と、かなり安価です。
経費率(信託報酬率)は、最安値クラスです!!
アメリカの株式に投資している投資信託の代表商品といえば、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」ですが、こちらは信託報酬が0.0968%程度です。一般的に投資信託の信託報酬は、0.1%程度であればかなりリーズナブルです。
最近の投資信託商品は、構成銘柄の良いものを低コストで運用できるので、とてもありがたいです。
長期投資が目的で投資信託を購入する方も多いと思いますので、購入時手数料および信託財産留保額は無料、信託報酬率は0.1%以下を目安に選ぶと良いです。
長くかかる運用コストも、ちりも積もれば山となります。最低限に抑えましょう。
総評
・老後資金が不安であれば、生活費を見直し、少額からでもいいのでiDeCoをはじめよう
私の所属している会社では、12,000円/月の掛け金が上限なので、上限までiDeCoを利用しています。今年は年末調整で1万円ほど還付されました。
「投資信託」という金融商品の最大の特徴は「時間を武器にすることができる」ことです。世界経済は成長を続けています。そのため、少ない資金でもコツコツ積み上げることによって、時間をかけて育てることができます。
iDeCOの最大のデメリットでもある、60歳まで資産を引き出せないことは、時間を武器にすることができるメリットにもなると私は考えています。
一度設定してしまえば、ほとんど放置でもOKです
iDeCoを始めるには証券口座を開設する必要があります。下記にリンクを貼っておきますので、気になった方はアクセスしてみてください。ちなみに私はSBI証券でiDeCoを利用しています。
目指せ!アッパーマス層!
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